散歩もさせず、食事もろくに与えず、
狭いサークルに閉じ込めて、
生ませるだけ生ませて、
繁殖犬としての役割が果たせなくなると、
もう必要ないからと、
ぼろ布のように捨てるブリーダーがいます。
そんなブリーダーから子犬を仕入れて、
陳列ケースに並べ安売りするペットショップがあります。
そんなペットショップから軽い気持ちで動物を買い求め、
年老いて可愛くなくなったから
手がかかるから
医療費がもったいないから
飽きたおもちゃでも手放すかのように
捨てる飼い主がいます。
友達んちのトイプードル、
『ボク』です。
先月31日に15歳のお誕生日を迎えました。
年をとるとともに足腰が弱り、
歯がなくなり(なので舌が出っぱなし)、
耳が聴こえなくなり、
今年に入ってからは目も見えなくなって、
ほとんど寝たきりの状態です。
それでも、友人が外出から帰宅すると、
その気配を察するのか、
弱った足腰で一生懸命立ち上がり
見えない目で姿を探して、
『大好きなよっちゃん』を出迎えようとします。
私が18年間飼っていた猫の『
おせち』も、
点滴するための血管がみつからないほど
貧血がひどく、容態が悪かったのに、
私の姿を見つけると、
フラフラになりながらすり寄ってきました。
亡くなる前々日のことでした。
人間は平気で裏切るけれど、
動物は決して裏切りません。
彼らは、人間なんかより
遥かに純粋な心と深い愛情を持っています。
日本では年間30万頭もの犬猫が、保健所で殺処分されています。
信じられないことに、そのほとんどが飼育者による持ち込みです。
このような、命を無視して金儲けだけに利用する
悪徳ブリーダーやペットショップ、無責任な飼い主に対し、
ペット後進国日本は、有効な法律を持ち合わせていません。
二日前から『ボク』の容態が急変し、
起き上がることも全く出来なくなりました。
夜中、頻繁に発作を繰り返すため、
友人が徹夜で付き添って看病しています。
でも、こうして『大好きなよっちゃん』に、
最期まで看取ってもらえる『ボク』は幸せなのでしょう。
年老いるのは犬や猫だけではありません。
生き物は皆平等に年老いて弱っていくのです。
保健所にペットを持ち込む人達も、です。
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