知り合いのチワワが冷却枕を齧って中身を誤食、
急性腎不全で急逝しました。
ケーキなどの生菓子についてくる保冷剤や
頭や首を冷やすための冷却製品の中には、
不凍液にエチレングリコールを使っているものがあり、
これを体内に取り込むとエチレングリコール中毒を起こし
かなり高い確立で死に至るそうです。
しかも、やっかいなことに、
エチレングリコールには甘みがあり、
何かの拍子で破れて中身が出た場合、
ペットや幼児が好んで食べてしまう危険性が高いとか。
体内に取り込まれたエチレングリコールは肝臓で代謝され、
最終的にシュウ酸カルシウムを産生、これによって
腎臓がダメージを受け腎不全を引き起こすのですが、
いったん体内でシュウ酸カルシウムが産生されると、
あっという間に症状がすすんで手遅れになってしまうらしいです。
このチワワちゃんのケースも、飼い主さんが目を離した隙に
人間が使っていた冷却枕を齧ってしまったのですが、
飼い主さん曰く、まさかそれが原因で
命を落とすことになるとは考えも及ばなかったので、
なんか具合が悪そうだなとは思ったけれど
診療時間外だったため、翌朝病院へ連れて行こうと
話しているうちにどんどん悪化し、
結局手遅れになってしまった。。。
と、涙ながらに自分を責めて落ち込んでいました。
エチレングリコールを口にした際の基本的な治療法は、
エタノールを静脈注射し、あえて肝臓にアルコールを代謝
させてエチレングリコールの代謝を阻害、最終的に
毒性物質のシュウ酸カルシウムを作らせないようにする
というものらしいですが、恐ろしいことに、
誤食後に症状が出て、飼い主さんが異変に気がついた時点で、
既に、それは体内で毒性物質が産生され、
ほぼ手遅れということを意味するそうです。
ということは、先ずは、
絶対誤食させない!
そして、
万が一、ペットや子供が口にした場合は
ただちに病院に連れて行く!
これしかありません。
最近の冷却製品は、安全性に考慮して高分子ポリマーを
使っている製品も多いようですが、そうそうしょっちゅう
買い替えるものでもないし、現に知り合いのお宅でも
以前から使っていた冷却枕だったそうで、まさかそれが
誤食の原因になるとは思いもよらなかったと。。。
悲しい家庭内中毒事故。。。
飼い主さんも飼い犬も可哀想です。
これからの季節、人間やペットの熱中症予防対策として
冷却製品を使用する機会も増えます。
今一度、家にある冷却製品の成分を確認し、
中身の確認が難しい生菓子等についてくる保冷剤については、
出しっぱなしにしない
捨てたり保管する場合は
ペットや子供の手が届かないようにする
といった充分な配慮が必要であると
今回痛切に思いました。
合掌
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