先週末、JAHA(公益社団法人日本動物病院福祉協会)主催の
『家庭犬しつけ方講座〜インストラクター養成コース』を受講しました。
今夏、四日間にわたって受けた
同講座『ベーシックコース』のステップアップクラスです。
ちなみにJAHAとは、動物病院を核として、動物医療の充実、アニマルセラピーの推進、
犬を直接訓練するのではなく、飼い主にしつけやトレーニング方法を教えるための
『家庭犬インストラクター』の育成といった活動を通し、
『
人と動物とが幸せに共生できる社会の実現』を目指している団体です。
この団体が推奨している最新のトレーニングメソッドに興味を持ち、
犬も飼っていないのに(汗)、せっせと講義を受けております。
さて、今回の講義は二日間で、
一日目が『犬の学習理論』、二日目が『犬の問題行動』。
朝10時から夕方の5時まで、1時間の昼休みを除き、
ほぼぶっ通しで6時間という、けっこうハードなものでした。
JAHAが推奨するトレーニングメソッドとは、
『飼い主にとって受け入れ難い動物の行動を "問題行動" と呼ぶが、
本来、動物の行動様式に問題行動という定義はなく、
(病的な理由を除き)全ての行動は正常であり意味を持つ』
という理念のもと、
『動物の行動の "原因と理由" を探り、"環境を整え"、
飼い主と動物にとって "望ましい状態" となるように
"叱らないで褒めて" 学習させる』
というものです。
。。。これじゃ何のことかわかりにくいですよね(^▽^;)
具体例をあげて簡単に説明すると、
『犬が靴を齧る』場合、ありがちな飼い主の対応は、
『追いかけて取り上げる』、『大声で叱る』、『叩く』などだと思います。
しかし、そもそも犬には『靴=履物』という概念はなく、
齧りがいのあるひとつの物体にすぎません。
また、犬は飼い主のことが大好きです。
靴を齧ると大好きな飼い主が追っかけてきてくれる、
注意を引くことができる、となれば、
犬は、「楽しいからもっとやろうよ♪」と、
なおさら張り切って?靴を齧るようになるかもしれません。
では、『大声で叱る』、『叩く』はどうかといえば、
あなたが、美味しいガムを噛んでいて、突然怒鳴りつけられたり
叩かれたりしたら、どんな気分になるでしょう?
犬にしてみれば、それと同様の災難です。
繰り返しになりますが、犬には『靴=履物』と認識することはできません。
また、犬が物を齧るのはあたりまえの行動です。
己の正常な行動に従っただけで、意味も判らず怒鳴られたり叩かれたりするのは、
犬には大変なストレスになるばかりか、飼い主との信頼関係も悪くします。
さらに、体罰はエスカレートする危険性も含んでいます。
そこで、JAHAでは、
・原因と理由を探る→『歯が痒い』『飼い主の注意を引きたい』『たいくつ』等々
・環境を整える→靴は出しっぱなしにしないで下駄箱にしまう
・望ましい学習をしなおさせる→齧っても良いオモチャを与える
といった対応策を含め、重要なのは、オモチャを齧った時にこそ、
飼い主は犬に注目し、一緒に遊ぶ、おやつをあげるなどして、
犬自身が、靴よりもオモチャを齧るほうが楽しいと学習するよう、
『褒めてしつける』ことを飼い主にアドバイスし、実践してもらいます。
犬は、大好きな飼い主に褒められると嬉しいので、
これを繰り返すうちに、靴には興味を示さなくなり、
結果、飼い主との信頼関係もより深まる、
といった具合です。
私は、このトレーニングメソッドは、カメはともかく?
猫にも十分共通して言えることだと思います。
『猫を追うより皿を引け』
(メソッドが示すところの『環境を整える』ってやつですね)
という諺もあるぐらいですし(笑)。
残念ながら、これより上のクラスは飼い犬との参加が条件のため、
私には受講資格がありません。
各クラスのステップアップは、受講終了から三年の猶予が認められているので、
叶うなら、三年の間に犬を飼って、次回は愛犬と共に受けたいと思っています。
カメと猫三匹と犬(できれば大型犬がほしいなぁ)と
人間二人が住めるところ、ないですかね?
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