『急性低音障害型感音難聴』というものになってしまいました。
ようするに、低音域が突然聴こえにくくなる突発型の難聴です。
2009年の春は右耳が突発性難聴。
今回は左耳。
あーーあ、やんなっちゃうなーε-(ーдー)ハァ
前回は、夜、テレビを見ていたら、
突然スイッチがオフになるように右耳が聴こえなくなり、
翌朝かかりつけの耳鼻科にかけこんだところ、
本来ならば、緩やかな山形を描くはずの聴力検査グラフが、
突発を示す典型的なVの字を描いていたため、
すぐさまそこの先生の判断で最寄りの大学病院に送られ、
緊急入院となりましたが、
今回は、突然というより、先週の木曜日あたりから
だんだん聴こえが悪くなる感じで、前回とは症状の出方が違っており、
もとより左耳は、昔、とある大学の医学部付属病院で
鼓膜形成手術を受けていることから、ひょっとしたら、
手術した鼓膜に何か異常をきたしたのかと考え、
かかりつけの耳鼻科ではなく、形成手術を受けた
当時の大学病院の主治医が独立開院した、
けっこう有名な新横浜のクリニックに行きました。
土曜日だったので主治医の先生はいらっしゃらなくて、
若い女医さんが担当でした。
一通りの診察と検査を受け、マスカラとアイラインで
強力に縁取りされた目をマスクの隙間からシバシバとのぞかせた、
その女医さんがおっしゃるには、
「耳の中も炎症は起こしていないですし、鼓膜にも問題はありません。
何の異常もありませんね」
「え?でも、明らかに耳に閉塞感があって、聴こえが悪いんですけど?」
「それについては、わかりませんねぇ」
「はあ?(しばし絶句)。そう言われても聴こえないままじゃ困りますよね」
「私にはわからないので、◯◯先生(手術をした先生)がいらっしゃる
来週木曜日にもう一度来て下さい」
「で、それまでの処置としてお薬とかはいただけるんですか?
もし突発だったりしたら?」
「(聴力検査のグラフを見ながら)低音域は下がっているけど
突発とは違うと思うし。何の異常もないので、お薬は出せません」
「…(だめだこりゃ)」
そんなわけで、聴力検査のコピーをもらい、
その足で、再びかかりつけの耳鼻科へと行きました。
診断結果は、先に述べた通り。
入院は免れましたが、ステロイド、末梢血管拡張薬や血流改善薬等を
集中的に服用しての通院治療となりました。
先生は、同じお医者さん同士ということもあってか、
ちょっと言いにくそうな顔をしながら、
「まあねぇ、いわゆる突発とは聴力検査の結果もちょっと違うので、
判りにくいといえば判りにくいとは思うんだけど…うーん、
異常ないというのは…ねえ(推して知るべしという顔)」
『突発性難聴』とは、国が指定する特定疾患(難病)のうちの一つです。
少し前に、歌手の浜崎あゆみさんが患ったことで、
その病名が世間に広く知られるようになりました。
原因は不明ですが、近年では、『ウイルス説』、
ストレス等による『内耳循環傷害説』の二つが有力とされており、
突発が起きる前には、風邪気味だったり、
過労や寝不足による肉体、精神的疲労を感じているケースも多いようです。
原因が不明なため確立された治療法はなく、現在のところ、
入院、もしくは通院によるステロイドや高濃度ビタミン剤、
末梢血管拡張薬、血流改善薬、利尿薬等の投与、
高濃度酸素療法などが有効とされています。
発症から治療の開始が早ければ早いほど、
その後の回復が見込まれることがわかっていますが
(発症後一週間が目安と言われています)、
中耳炎等と違い痛み等を伴わないため、ついつい忙しさにかまけて、
病院へ行くのを後回しにしてしまったり、
鼓膜や耳の中には何の異常も認められないため、今回のケースのように、
運悪く、この病気に関する知識が乏しい医者にかかってしまうと、
早期診断がつかない場合も少なからずあるようで、
実際、私の亡くなった叔母も、耳が聴こえにくくなったため
近所の耳鼻科にかかったところ、
「年齢からくるものだと思うのでしばらく様子を見ましょう」(当時60代後半)
と言われて、そのままにしておいたため難聴が固定化してしまいました。
突発性難聴は治療が遅くなるほど改善が難しくなります。
私の場合は、たまたま、叔母のことや右耳も突発を経験していたので、
別の病院をはしごして判明しましたが、
あのとき、女医さんの言う通りにしていたら…
と思うとぞっとします。
近年、突発性難聴の患者数は、1987年は16,750人だったものが、
1993年は24,000人、2001年では35,000人と増加が著しく、
発症も、50代の女性に多かったものが、
年齢や性別においての偏差はあまり見られなくなってきているとか。
また、
患者のおよそ3分の1が完治、
3分の1は回復はするが難聴やめまいを残し、
3分の1は回復しないままとなるそうです。
程度に関わらず、聴こえが変だなとか、耳鳴りや閉塞感、
めまい等を感じたらすぐに病院に行くこと、
最初の病院で診断がつかないようでも、
様子を見たりせず早急に別の病院へ行くことを強くお勧めします。
私の経験が、この恐ろしい病気に対する
みなさんの知識を深め参考になれば幸いです。