8月15日。
その前日から熱を出して寝込んでいた私は、
布団の中で「ああ、今日は終戦記念日だ」と思うと同時に、
ふと、家族で沖縄旅行をした時に、
平和記念資料館とひめゆり平和記念資料館の前で、
父が、
「オレは辛くて中に入れないけど、お前達はちゃんと見てこい」
と、一人外で待っていたことを思い出しました。
短気でわがままで、人を待つことなんて大嫌いな父なのに、
その時ばかりは、どんなに時間がかかっても、
文句一つ言わずじっと外で待っていた。
名古屋大空襲の焼夷弾直撃で母親を失った父の想い・・・。
広島で被爆して祖母と妹を失ったG太さんのお父さんの想い・・・。
*万斛の涙をのんで(植木兵三氏手記より)
戦後64年を経て、戦争体験を語れる人はどんどん少なくなっています。
私自身の経験から思うに、日本の学生は学校教育において、
戦争について深く学ぶ機会があまりないような気がします。
詳しい事情はわかりませんが、
日本の戦争教育は通り一遍な勉強だけで、
『もし興味があるのなら、沖縄でも広島でも勝手に出向いてご自分でどうぞ』
というスタンスのように感じます。
アメリカに居た頃、両脇にブランド店の紙バックを抱えて、
ビデオを回しながらグループでダウンタウンの高級店を渡り歩く
日本人学生の姿をよく目撃しました。
あれがよく言われる
『修学旅行で国際感覚を身につける』ということなのでしょうか?
ちょっと異様な光景でした。
たとえ海外じゃなくても、修学旅行と称して
お台場やディズニーランドを観光したり、
竹下通りでショッピングをしたり・・・。
(屋形船での東京湾クルージングディナーなんてのもあるそうです)
色んな見解があるのでしょうが、私は、
国内外の観光地やテーマパークに大挙して押し寄せ、
学生に不似合いなブランドものの財布から万札だして
買い物しまくるような修学旅行から何を修め学ぶのか
はなはだ疑問です。
学校行事の一貫として一度くらいは、
戦争縁の地を訪ねるぐらいのことをしてもいいんじゃないでしょうか?
8月15日が何の日か知らない、
日本がアメリカと戦争をしていたことを知らない、
原爆が落ちたことさえ知らない若者が増えているといいます。
どっちが悪いとか、
何のせいとかではなく、
実際に起きた過去の悲惨な現実に眼を向け、
真摯な気持ちで耳を傾ける、
学生のうちに一度くらいは、
そういう機会があってもいいのではないかと、
私は思います。
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