昨日、
THEペット法塾 主催の
『動物愛護管理法改正意見交流会』に参加しました。
東京はあいにくの雪でしたが、衆議院議員会館の大会場は超満員、
会場に入りきれない人もいたようで、
この問題に関する人々の意識の高さを感じました。
会の内容としては、『殺す行政から生かす行政へ』ということで、
「引き取りを求められた時はこれを引き取らねばならない」
とする、動物愛護管理法第35条第1項の義務規定の撤廃、
生後8週齢以下の子犬、子猫の流通禁止、
等を中心に、実験動物や家畜についてもお話があり、
全体的には大変有意義なものでしたが、
ちょっとだけ顔を出しにきた議員さんや
代理として送り込まれた秘書さんらの挨拶がやたら多すぎて
時間がどんどん押してしまい、
一番聞きたかった肝心の現場からの意見や、後半に予定されていた
パネルディスカッションが短縮されてしまったのが、残念でした。
悲しいかな、今の日本は動物後進国で、
『動物好きがバカを見る』のが現状です。
命を金儲けの道具としか考えない悪徳業者、
無責任な飼い主には何のおとがめもなく、
リゾート地を繰り返し訪れるリピーターのごとく、
繰り返し保健所に犬猫を持ち込む"やから"さえいます。
現場で活動していらっしゃる方々は、肉体的にも、精神的にも、
そして、金銭的にも一杯一杯で頑張っていらっしゃいますが、
救っても救っても救いきれない命が、今もなお、
日本国内で21万以上もあるのです。
これを減らすには、ダーダーと流しっぱなしの蛇口を
元から閉めるしか手立てはありません。
しかしながら、今回参加して、やはりというか、いまさらというか、
日本が欧米のような動物先進国になるには、まだまだ
クリアしなければならないハードル(団体、企業)がいくつもあり、
決して一筋縄ではいかないことを再痛感しました。
一例を挙げると、
生後8週齢未満の子犬子猫の流通を禁止する案は、
生まれて間もなく、無理矢理母親から引き離されたことによる
問題行動(攻撃性、分離不安等)をなくし、
それが原因で飼育放棄される不幸な子を減らす一方で、
衝動買いをする無責任な飼い主と、劣悪な環境で無計画に繁殖させる
悪徳業者の抑制につながるとして、今回の改正では是非とも実現させたい
法案の一つです。(前回も見送られた)
ちなみに、言うまでもなく、欧米では
生後8週齢未満の子犬子猫の販売は禁止されています。
また、日本小動物獣医師会の調査でも、
生後30〜45日の幼齢な犬猫の販売について、「反対」が97パーセント、
さらに、99パーセントが「性格形成、健康面に悪影響がある」としています。
ところが、ペット業者団体はこれに猛反発。
今回、パネリストとして参加されていた、アエラ編集部記者
太田匡彦さんの発表によると、
「仏教を軸にする日本では、小さなうちに手に入れて育てるのが文化」
「欧米と日本とはペット事情が違う」
などと主張し、太田さん曰く「全く意味が分からない(失笑)」。
こちらの記事によれば組織票も目論んでいたようで、
*ペット業者が「組織票」(AERA)もう、腹が立つやら呆れるやら…。
やってることが、どこぞの電力会社と一緒ですよね。
関係者は、国会議員さんの元にせっせと陳情にも訪れており、
それを受けてか、ここにきて
「ペット業者が守りやすい45日にしては」
といった意見も出ているらしく、
こんな馬鹿な主張がまかり通らないように、
私たちは、尚一層注目する必要があります。
ただしこう聞くと、『ペット業者全てが悪』と考える方もいると思いますが、
優良とされるブリーダーさん達は、「犬と飼い主の幸せのために8週齢規制は当然のこと」
と考え賛成している旨が、同じく太田さんによって発表されたことを記させていただきます。日本だけが特別なことを決めようとしているのではない、
誰のため、何のためなのか、それを考えれば簡単なことなのに、
当たり前のことが当たり前にすすまない、
経済優先で命を軽んじるこの国の姿勢が、今、国内外から問われています。
これは、動物だけに限ったことではありません。
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