ある日、神様が現れてこう言いました。
「地球上の生き物に告ぐ。
一週間後の同じ日、同じ時間に、
お前達の願いをひとつだけ叶えよう。
ただし、私の元に届いた願いの中で
一番多かったものひとつだけとする」
さあ、それから世界中は大騒ぎになりました。
そこで、願いをひとつにしぼるべく、
世界各国の首相、要人が集まり会議を開きました。
会議では、「核をなくそう」、「戦争をやめよう」など、
色んな意見が出されましたが、
各々の国情、思惑、欲望が見え隠れして、
なかなか決まりません。
そうこうしている間にも、刻一刻と約束の時は近づきます。
結局、散々もめた末に、
「願いごとはしない」
ということで、世界各国は納得しました。
一週間後、
世界中の人々は、手に手をとって、
「私たちは何も願いません」と神に祈りました。
そして、
時計の針が、約束の時間を差した瞬間・・・
地球上から全ての人間が消えました。
人間は忘れていました。
地球上の生き物が、自分たちだけではないということを。
木も、草花も、魚も、鳥も、爬虫類も、動物も・・・
人間より遥かにたくさんの命が、この地球で生きているのです。
彼らの願いは、皆同じでした。
「どうか、地球から人間がいなくなりますように」
これは、ずーっと前にG太さんから聞いた話です。
(G太さんは、テレビ番組で見たとか)
うろ覚えなので、番組名も作者も分かりません。
細かい部分については、間違っているかもしれません。
なぜ、この話を思い出したかというと・・・
先日、あるテレビ番組で、
人間によって虐待された動物の保護活動を行っている、
コロンビアの動物保護団体を取り上げていました。
映し出されていたのは、
目を覆いたくなるような、信じられない虐待の現実。
飼い主の子供を引っ掻いたという理由で
両前足を切断されたタイガーキャット、
狭い檻の中に閉じ込められ、劣悪な環境で育ったため、
筋肉も骨も発育せず、板きれのような身体になったライオン、
顔の形がなくなるまで殴られ、
両目を潰され、脳挫傷で死んだクモザル、
妊娠して荷馬車が引けなくなったからと、
全身に灯油をかけられ、火をつけられた馬・・・
番組の最後、
保護団体を運営する女性から、リポート役の女性タレントに
ひとつの小さな木箱が渡されました。
箱のふたには、
『この箱の中には、全ての動物を苦しめる原因が入っています』
とのメッセージが張られていました。
女性タレントが、ふたを開けると・・・
中には、箱を覗き込む自分の姿を映す
鏡が入っていました。
日本は今、空前のペットブームです。
でも、その影で、年間30万頭以上の犬猫が殺処分されています。
一口に30万頭と言いますが、その数は東京都品川区の人口、
34万1,214人(2007年10月1日現在)に匹敵します。
そのほとんどは、飼い主自らが保健所に連れてくるのです。
大きくなって可愛くなくなったから、
引っ越しするから
離婚したから
子供が欲しいといったので飼ったが飽きてしまったから
(動物が)歳をとって世話が面倒だから
信じられないような身勝手な理由で、
家族の一員として迎えたはずの尊い命を、
いとも簡単に抹殺するのです。
殺処分は安楽死ではありません。
二酸化炭素によるガス室での窒息死です。
空気を抜かれ、二酸化炭素が吹き込まれた密室で、
もがき苦しんで死ぬ、もしくは、気を失うのです。
その後、焼却処分になります。
まだ、息があってもです。
ガス室の床や壁には、もがき苦しんだ犬やネコの爪痕が、
無数についているという話もあります。
以前、保健所を取材した番組で、
明日、殺処分になる犬が、取材記者に向かって、
無邪気に尻尾を振っていた姿が
目に焼き付いて忘れられません。
君は、人間に捨てられたのに、
こんなにひどい目にあってるのに、
明日殺されるのに、
それでも、まだ、
人恋しいと尻尾を振ってくれるのか・・・。
動物の虐待死は、遠いコロンビアだけの話ではありません。
日本人は、毎日900頭の犬猫を
虐待死させているのと同じことです。
いつだって、動物は悪くない
人間が一番悪い
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