サンティアゴデクーバでは、ハバナからの飛行機が遅れたり、
空港から乗ったタクシーがエンストしたりで、
宿に到着したのが夜中の12時頃でした。
日本から持参したインスタントのカップ麺を食べて、
ベッドに潜り込み、ようやく眠りについたと思うや否や・・・
コーケコッコーーーーー!!!(◎_◎;) ドキッ!!
闇をつんざくニワトリの雄叫び。
外は真っ暗。
時計をみると午前3時。
えーーーーっ?
ニワトリってこんな早くから鳴き始めるの?
コーケコッコーーーー!!!
すぐ近所だ。
すると、それに対抗するかのように、少し離れたところからも
コーケコッコーーー!!!
近所のニワトリが鳴けば、
すかさずもう少し離れたところの一羽が応えます。。。
キューバ人って寛大だなー。
これが日本で、しかも、こんな住宅街で
真夜中からニワトリが鳴き出したりしたら、
苦情が殺到するだろうなー。
『騒音ニワトリ』とかってテレビ局がきちゃうかもなー。
時差ボケもあって、すっかり目が冴えてしまいました。
結局、二羽の雄叫び合戦は昼近くまで続きました。
でも、不思議ですねー。
三日もするとけっこう慣れるもんです。
一旦は目を覚ますものの、
ニワトリの雄叫び合戦を聞きながら、
声がかすれたりすると、
「そりゃそんだけ毎朝鳴きまくってたら喉もやられるわ」とか、
コーケコッコーの最後のコーの音程が上がりきらないと、
「そこはきちんと上げておこうよ」とか、
しばらく心の中でツッコミをいれているうちに、
ウトウトと眠りに戻る余裕も出て、
楽しくさえなってきました。
ところが、一週間目の朝、
すぐ近所で鳴いていたニワトリの声が、
ぷつっと聞こえなくなりました。
ちょっと離れたところのニワトリが、
時々、呼びかけるように鳴いてみるものの、
応えがないので調子が違うのが、すぐに鳴くのを止めてしまいます。
キューバ人コーディネイターのスサーナさん
(日本への留学経験もあり日本語ベラベラ)にその話をしたところ、
「キューバでは、市場で生きたニワトリが売られているの。
精肉も売られているので、私はそちらを選ぶけど、
生きたニワトリを買ってきて、家で絞める人もまだまだ多いのよ」
と教えてくれました。
そっか。。。そういうことだったのか。
生き急ぐかのように、
あんなに声が枯れるほど毎朝早くから鳴いていたのは、
自分の運命を知っていたからなのかな。
私たちは、普段の生活の中で、
自分の命が他の命の犠牲に上に成り立っていることを忘れがちです。
もう聞こえないニワトリの声を思いながら、
亡くなったおばあちゃんが、いつも食べ物を前に、
「ありがたい、ありがたい」と手を合わせていた姿が浮かびました。
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