先頃、アメリカ政府がこれまで米国市民に対して発令していた、
福島第一原発から80キロ圏内の避難勧告を20キロ圏内に縮小したことを受け、
日本政府や複数のメディアは、これを事故収束に向けた安心材料のように
取り上げていましたが、事実は全く違います。
アメリカは、80キロ圏内の避難勧告解除を『
1年以内の滞在であれば』
と条件付けをしており、さらに、80キロ圏内に1年以上居住することは
『
より高い被曝のリスクに晒される危険がある』と警告しています。
また、妊婦、子ども、高齢者にいたっては
『
半径30キロ圏内に住んではならない』ともはっきり述べています。
その『住んではならない』、『一年以上滞在すべきではない』、
『より高い被曝のリスクに晒される』地域に、
東電や自分達の面子、人命より経済性を最優先とする日本政府は、
除染の方針も定まらない、事故の収束も見えないうちから、
子供や妊婦、高齢者を含めたを住民を帰しているのです。
正気の沙汰ではありません。
今後除染が始まったとしても完了となる日まで、
住民は、毎日毎分毎秒、被曝し続けることになります。
だいたい、政府の言う通りなら
今頃チェルノブイリだって立派に復興しているはずです。
福島第一原発からは、そのチェルノブイリをもはるかにしのぐ
大量の放射性物質が放出されたのです。
政府が事実を公表しない、正しく報道がなされない日本国内において、
今や、私達日本国民は、海外メディアからしか真実を知るしか術がありません。
こちらはドイツのテレビ局による報道です。
YouTube - ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」 ※規制により突然、閲覧不能になる可能性もあります。 東電では、半年間に作業員が三人も立て続けに亡くなっています。
東電側の発表によると、一人目は心臓マヒ、二人目は白血病、
三人目はなぜか、『ご遺族の希望により死因は公表せず』となっており、
当然のことながら『いずれも被曝は低度であり因果関係はない』としています。
とはいえ、東電の言う通り今回の被曝量は低かったとしても、
作業員の方々は、以前このブログでも取り上げた『
原発ジプシー』として、
これまでにも各地の原発を転々とし、高度被曝に晒されていたり、
被曝量が累積していた可能性もあります。
いずれにせよ、半年間に三人も亡くなるような職場は尋常じゃありません。
ところが、警察は相も変わらず東電に対しては消極的で、なんと、
田中龍作ジャーナル - 【原発作業員死亡】
「対応は東電にお任せしている」警察権委譲を認める園田政務官だそうで、
こともあろうに、
事件の当事者に警察が捜査全般を『お任せ』するという前代未聞の珍事です。
相撲部屋だって、弟子が一人亡くなれば警察が捜査に入るのに、です
しかし、当然といえば当然かもしれません。
警察、公安からは実に32人が東電に天下っています。
ご機嫌を損ねて大切な天下り先をなくすわけにはいきません、東電様様なのです。
国の一大エネルギーである電力を、東電という民間企業一社が
独占していること自体、他の国ではありえない異常なことです。
そして、その一民間企業が、独占している電力を笠に着て、
国民から巻き上げたバカ高い電気料金を元に、
政治家を、マスコミを、自治体を、そして警察をも買収しています。
これは由々しき事態です。
もはや東電は、一民間企業の枠を越え、日本の全てを牛耳る
一大マフィアの体を成しています。
「ニュークリア・シンジケート図解 2.0」東電マフィアとそのファミリーは、自分達の既得利益をさらに増やすため、
偽りの『原子力安全神話』と『電力不足説』をでっち上げ、
やらせで国策をミスリードし、都合の悪いことは隠蔽し、
四方を海に囲まれた、こんな小さな地震大国に、アメリカ、フランスに次いで
世界第三位となる(国土面積、人口密度を鑑みると実質世界一)
54基もの原子力発電所を次から次へと建てました(さらに14基が計画中)。
そのうえ、自らの怠慢によって今回の大惨事を招き、
広島原爆約30個分(熱量計算)に匹敵する放射性物質をまき散らして、
罪もない多数の命を奪い、大勢の人間を被曝させ、ささやかな日常を奪いました。
福島県に住む18歳以下の子供約36万人は、今後、
生涯にわたって甲状腺検査を受けなければいけません。
子供達に与える精神的影響、親御さんの苦悩はいかばかりかと心が痛みます。
政府の無策により、食物、水、土、コンクリート…様々な物を通じて
今や汚染は日本全国に拡大し、
広島在住の母親の母乳からは放射性物質が検出され、
横浜市内のマンション屋上では、御用学者が「遠くに飛ばないから大丈夫」
と楽観視していた猛毒のストロンチウム90が検出されました。
※ストロンチウム90
半減期約29年。カルシウムに似た性質があり体内に入ると骨に沈着して
放射線を出し続け、白血病やガンを引き起こす原因となる。残念ながら日本全国は汚染され、私達日本人は、
今後何十年にも渡って、放射性物質ありきの生活を強いられます。
東電マフィアの前に、政治は悪事と化し、報道はマスゴミにと品位を落とし、
警察は東電の犬に成り下がった我が国ですが、
幸いにも今は、インターネットという手段があります。
いたずらに騒いだり、繁雑する情報に踊らされてはなりませんが、
もはや、国も警察もあてにならない今の日本では、
新聞やテレビからだけの報道を鵜呑みにせず、自分自身で情報を選択収集し、
自分自身で自分や愛する家族の身を守るしか、手だてはないように思います。