今日5/27は、大好きだった猫の命日です。
アメリカに留学していたある春の日の朝、
学校へ行こうとアパートのドアを開けた途端、
ものすごい勢いで部屋の中に飛び込んで来た小さな影、
びっくりして、足下を見ると、
生後半年ぐらいの子猫でした。
とはいえ、貧乏学生の身分で
動物を飼える余裕などあるはずもなく、
「飼ってあげられないから・・ごめんね」
と、外に出して学校へ行き、夕方帰宅すると・・・
降り出した雨の中、玄関ドアの前に、
その猫が座っていました。
春とはいえ、ボストンの朝晩は冷え込みます。
私と目が合うと、お帰りなさいとばかりに、
ふるえながら「ニャア」と一声鳴きました。
『押し掛け女房』ならぬ、
『押し掛け猫』。
不思議な縁を感じて、結局、部屋に連れて入り、
以来18年間、『おせち』と名付けたその猫と
一緒に暮らすことになりました。
嬉しいときも、悲しいときも、心細いときも、
いつもいつも、隣にいてくれました。
あの時、あの瞬間まで、また来年の春も、
当然一緒に迎えられると思ってた。
何年経っても、涙が止まらない。
会いたいな、
おせちに会いたいな。
◆春の終わりに・・・
あの日、君は、さようならを言うために、
私を待っていたの?
息をするのもやっとの、最期の時にさえ、
いつものように、私の元へ駆け寄ろうとする君を
抱きしめて、抱きしめて・・・
泣いて、泣いて・・・
ただただ、
自分の無力を恨み、
祈ることしかできなかった。
いつも一緒だったね。
君は私に、たくさんの幸せをくれたけど、
私は君に、どれだけのことをしてあげられただろう?
それでも、
二人は仲良しだったよね。
楽しかったよね。
春の訪れとともに、突然やってきて、
春の終わりとともに、あっけなく逝ってしまった君・・・
あの朝見上げた空は、どこまでも青くて、
日差しはもう眩しかった。
大好きだったよ、
そして、今も、これからも、
ずっと、大好きだよ。
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