金曜夜の予定が急遽なくなりました。
聞くと、同居人も予定がなくなったといいます。
野田首相が大飯原発再稼働を容認する記者会見を開く折も折、
こんなふうにぽっかり時間が空くというのは、
神様が「行ってこい!」と背中を押してくれたのだと解釈し、
大飯原発再稼働反対デモに参加するため、同居人とともに、
大急ぎで首相官邸前に向かいました。
到着したのは午後7時ちょっと過ぎでしたが、
国会議事堂と首相官邸前の歩道は、
老若男女、会社帰りと思われるスーツ姿の男性、OLさん、
おカマさん、子供連れの方、車椅子の方、外国の方…
ものすごい人で埋め尽くされ、騒然としていました。
その数4000人以上。
プラカードやうちわ、鳴りものを持った人もたくさん。
「再稼働反対!」
皆で声を合わせて叫びます。
*再稼働宣言『安全神話』吹聴する首相は原子力村の広報部長
なぜ、今、再稼働なのですか?
フクシマの事故はいまだ収束しておらず、検証も終わらず、
関係者は誰も責任を問われていません。
なにを、そんなに急ぐのですか?
「福島を襲った地震津波がおこっても、事故防止できる対策と
体制はととのっている。専門家による知見を慎重に重ね、
つみあげ、安全性を確認した結果だ」
そう野田さんは記者会見でおっしゃいました。
しかし、あなたが再稼働させようとしている大飯原発は、
・事故収束作業に重要な役割を果たす免震事務棟が未設置
・津波対策のための防潮堤かさ上げ工事が未完成
・事故時に格納容器の圧力を下げるため、放射性物質を
除去したうえで内部の蒸気を排出する「フィルター付ベント」
が設備されていない
・原子炉直下を活断層が通っている可能性がある
等々、有識者からその危険性が指摘されています。
*大飯原発工事未完了でも十分安全?政府お墨付きも尽きぬ課題
(2012年4月15日/福井新聞)
*大飯原発敷地内、破砕帯は活断層か
(2012年6月8日/読売新聞)
これのどこか『安全』なのですか?
御用学者による再稼働ありきで事を急ぐだけの知見を
いくつ積み重ねても、意味がありません。
「原子力発電を止めたままでは、日本の社会はたちゆかない。
数%程度の節電であればなんとかできるかもしれない。
しかし、15%もの受給ギャップは現実的には厳しい」
よもやお忘れではないでしょう、
少し前に関電自らが、
15%と見積もっていた電力不足を、
再稼動しなくても5%まで軽減できると発表し、
新聞やテレビでも大々的に報道されましたよね。
*関西電力不足なぜ5%に?古賀氏が開設
(2012年5月16日/モーニングバード)
なぜ、こんな重要なことを、あえてなかったことにするのですか?
そのうえ、
「計画停電がよぎなくされ突発的な停電が起これば
命の危険にさらされる人もでる」
野田さんはじめ、原発を動かしたくてしょうがない人達は、
必ずこう脅しますが、
命に関わる人の電力を止めろとは誰も思っていません。
政治家さんが献金をたくさんもらっている遊興業界はじめ、
テレビ放送など、先立って
節約すべき電力、その方法は
他にいくらでもあります。
5パーセントの電力不足と不用な電力の節約
これはあなたがおっしゃった
「数%程度の節電であればなんとかできるかもしれない」
のまさに範疇だと思うのですが、
なぜ、実現に向けて動かないのですか?
命より経済(献金?)優先だからですか?
「
電力料金の大幅な高騰といった日常生活の悪影響を
できるだけ避け、豊かで人間らしい暮らしを送るために
安価で安定した電気の存在は欠かせない」
今さら何をおっしゃっているのでしょうか?
原発は安価でもなければ、安定もしていません。
これは周知の事実です。
原発に変わる天然ガスだって、日本は価格交渉もせず、
相手国の言い値の『世界一高い価格』で輸入してますよね?
*やたら高い日本の天然ガス 電力会社が価格交渉する気ないから
(2012年1月29日/Newsポストセブン)
独占している電力を人質に、企業努力も怠り、
なんでもかんでも電気料金に上乗せするヤクザなやり口は、
もう通用しません。
「私たちは大都市における豊かで人間らしい暮らしを
電力供給地に頼って実現してきた」
過疎地に原発を建て、危険に対する代価として莫大な
補助金を注ぎ込み、地域住民を「麻薬漬け」と揶揄される
原発交付金依存体質にさせる一方で、
諸外国都市と比べても数段明るい
日本の大都市は、
24時間眠ることを知らず、電力を浪費し続けています。
原発に関わる
原子力村の住民が既得権益を守るため、
地震大国に原発を建て続け、国民は、世界一高いとされる
電気を否応なく買わされています。
*なぜこんなに原発が増え続けるのか?
(連帯ユニオンー原発問題を考えるシリーズ4)
これが真に豊かで人間らしい暮らしだとお考えですか?
さらに原子力発電は、
ウラン鉱の採掘から燃料加工、発電、
廃炉に至る全ての段階で大量の放射性廃棄物を生み出します。
しかし、私達人類は、
放射性廃棄物を無害化処理する技術を
いまだ持ち合わせておらず、ゆえに、原子力発電所は
『
トイレのないマンション』と呼ばれています。
*映画『10,0000年後の安全』
日本が生み出す放射性廃棄物は、
年間、広島原爆約5万発分
に相当し、その総量は、
広島原爆約120万発分にも及びます。
それらは全て、私達が必要以上の豊かさを享受した
ツケとして蓄積されます。
そして、高レベル放射性廃棄物が無害化するのに
要する時間は、数十万年以上です。
数十万年後の未来に対し、いったい、
誰がどうやって責任を負えるというのでしょう?
昨年3月11日
東日本を襲った大震災、
そして、その後のフクシマ原発事故で、私達は、
豊かさと引き換えに、失うものの大きさを知りました。
原子力に頼った人類の繁栄は、間違いだったと悟りました。
真に豊かで人間らしい暮らしの意味を、
今こそ問い直そうと思いました。
昨夜、再稼働宣言に合わせて、官邸周辺の歩道には、
突然、こんな看板が立ちました。
これから益々増えるであろうデモ参加者を
閉め出すための工作であることは明白です。
なんと姑息で情けないことでしょうか。
「再稼働反対!再稼働反対!!」
シュプレヒコールとともに振り上げたこの拳は
人間だけじゃない
フクシマの事故で犠牲になった
もの言わぬ命 全ての
『怒り』
『悲しみ』
『絶望』だ
けれども
同じく振り上げたこの拳は
今を打ち破り
未来に繋がる
『力』だ
野田さん、
国民の叫びが届いていますか?
あなたが耳を傾けているのは、
誰の声ですか?
あなたが本当に守りたいものは、
なんですか?
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