最近読んだ本。
『動物の食から見る現在の食生活へのヒント』(芽生え社)
上野動物園、多摩動物公園の園長を歴任され、
現在、WWFジャパンの理事を務められている
中川志郎さんの著書です。
栄養的には完璧かつ理想的な
人工飼料を与え続けられたゴリラが、
仲間と共にエサを探したり、分け合ったり、
むしったり、割ったりといった
『食べる喜び』
を失ったことで、心のバランスを崩して
ノイローゼになってしまった話を始め、
動物の本能である『食』に関する行動を通して、
現代人が抱える様々な問題を取り上げています。
中でも、とくに興味深かったのは、
物言わぬ木々が、自分の葉を採食する動物に対して、
葉の中に、苦み成分であるタンニンを増量させ
採食の許容量を知らせる話。
最初は美味しかった葉が、
食べているうちに苦く変化したら、それは
『もうそのぐらいにしておいてね』
という木から動物へのメッセージ。。。
それを感じた動物はそれ以上食べるのを止め、
別の木に移るというのです。
なんて素敵な話しでしょう。
こうして、すべての命は共存共生しているのですね。
それに比べると、人間がしてきた、そして
していることっていったい。。。
人間は、様々な命(食や自然)との関わりを、
見つめなおし、感謝し、考え直す時期に来ているのかもしれません。
読み終えて、
『今ならまだ間に合う』
著者がそう言っているように感じました。
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飼育二年目を迎え、HP『ギリシャリクガメ-無有的日常』を
加筆修正、更新しました。PR